ECサイトの五大要素
前号までにご説明したECサイトの五大要素(図1)。Vol.19「ECサイトの集客」、Vol.20「ECサイトの商品構成(MD)」、Vol.21「ECサイトの売場づくり」と、前三号まではECサイトの作り方を中心に解説してみました。
さて、今号は次の要素であるフルフィルメントについて考えてみたいと思います。
が、その前に本紙を見て早くもECサイトを完成させた株式会社フルフル(仮名)様から喜びの声が寄せられていますので、株式会社フルフル(仮名)様の業務改善(笑い・泣き)っぷりを、四コマ漫画でお楽しみ頂きたいと思います!!
株式会社フルフル(仮名)様の喜びの声を見てお分かりになると思いますが、ECサイトの運営によって業務効率を高められるのは『引き合いから、受注まで』なんですね。では、受注から先は?というと一言で「フルフィルメント」と言うのですが、受注処理、商品の梱包・発送、在庫管理、代金請求、入金処理、お問合せ処理、返品・交換処理の業務を指します。通販事業全般では事業の屋台骨とも言える定型的業務で、コスト削減を追及しながらもサービス品質の向上を求められるバックエンドの業務です。
フルフィルメントにあたる業務はいわゆる「ルーチンワーク」です。斬新なアイデアや企画よりも地道なノウハウの改善と蓄積が求められます。平時から自社のキャパシティを高めるのはもちろんのことですが自ずと限界があります。季節の変化等による急激な需要増で自社の対応能力を超えた注文が入れば、自社の業務がパンクしてしまい顧客の怒りを買うことも想像できます。かといって、平時から需要のピークを想定して余剰な投資(人件費や設備投資)を行うのも非効率ですし、需要の変動に合わせて人の教育やITインフラ等の設備投資を調整するのはとても難しいでしょう。
フルフィルメント - 商品販売における典型的な(受注以降の)バックエンド業務
自社のキャパシティを超えることが予想される場合や複数の部署で似通ったフルフィルメント業務が必要である場合など、フルフィルメント専門の会社に外部委託する方法があります。フルフィルメントはルーチンワークですから、その業務に特化した専門会社のノウハウを活用しない手はありません。効率化を求めるためワンストップでフルフィルメントを完結できる会社に協力を要請し、自社のリソースをコアコンピタンスに集中する。ECサイトの運営は経営の効率化に結びつけてこそ、その恩恵を十分に受けることができます。