前号でご説明したECサイトの五大要素(図1)。今号ではその中の一つの要素であるECサイトの集客について掘り下げて見ていきたいと思います。
ECサイトの五大要素
図2の「ECサイトの集客方法と概要」をご覧ください。集客方法には大きく分けて外部への対策、内部の対策があります。その中でも無料でできるものから高価なもの。また、制作・開発が不要なものから大規模開発が必要なものまでさまざまです。
集客にかける予算と商品・サービスの特性に応じて、費用対効果の高い手段を選択して頂きたいと思います。期待した効果が一定期間内に得られない場合は、別の手段に切り替える判断も必要でしょう。手段を複合的に利用したり、インターネット以外のメディアとミックスする事で相乗効果を得る事もできます。
大きな労力と高い費用を掛けて集客できたとしても、売上に繋がらなければ成功したとは言えません。次号以降、集客できたユーザにより多く売れるための大切な要素について触れてみたいと思います。
ECサイトの集客方法と概要
外部/内部 | 手段 | 外部 掲載料 等 |
制作/開発 | 実現まで | 効果 | 概要 |
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WEBサイト外の施策 | リンク/ポータルサイト の利用 |
無料 〜有料 |
無し | 速い | 少ない | リンクサイトやポータルサイトに掲載する事で集客する。比較系サイト(価格コム)を利用し、自動的に更新できるシステムを独自に構築して急成長した会社(ECカレント社)の例はとても有名。 |
アフィリエイト | 有料 | 無し | 速い | 少ない 〜大きい |
ネットにおける販売代理店を利用して販路を拡げる。代理店サイト側は自サイト経由で売買が成立すると、ショップ側が設定する手数料を受け取れる仕組み。バリューコマース、xmax、アマゾン等のアフィリエイトプログラムに出店する事で世界中に代理店サイトを持つことが可能。 | |
リスティング広告 | 有料 | 無し※ | 速い | 大きい | 検索連動型広告とも言う。オーバチュア(Yahoo!他)、グーグルアドワーズ(Google他)が有名。検索サイトでキーワード検索した時にスポンサーサイトとして優位な位置に表示される仕組み。キーワードはオークション(競売)式になっており、より高い入札価格を提示した出店者のPRがスポンサーサイトとして表示される。クリック課金であるため、費用対効果の高い広告手法と言われる。 | |
WEBサイト内の施策 | サイト内のSEO対策 | 無料 | 安価 | 速い | 少ない | 検索エンジンに上位にインデックスされるよう、ページコーディングを工夫をする事。見込み客が検索に使うであろうキーワードを想定し、ページコーディングをチューニングする。キーワードでの検索結果がより上位になれば検索エンジン経由の訪問者が増え集客に繋がるというもの。外部サイトからリンクを張られる事も重要になるため、リンクしてくれるサイトを増やす事でも効果が上がる。 |
サイト内検索機能 | 無料 | 安価 〜高価 |
速い 〜 遅い |
少ない 〜大きい |
サイト内の検索機能を設ける事で、訪問者が知っているキーワードに関するページを直接閲覧できるようにする。巨大なサイトでは訪問者が求めているページに中々辿り着けず諦めて離脱されないように設けている事がある。また、商品検索では商品名。説明文からの検索の他、カテゴリや用途、価格帯、色、サイズ等の実用的な検索機能を用意して販売機会を増やす。 | |
レコメンデーション | 無料 | 高価 | 遅い | 大きい | ユーザの趣味嗜好を分析し、個々のユーザごとに興味を引く情報をチョイスして表示する仕組み。過去の購買履歴やあらかじめ登録してもらった趣味嗜好から、似たような傾向を持つ他ユーザの興味対象を表示し、販売機会を増やす。システム的にレコメンデーションを実現するためには顧客データベースの構築が必要。オペレータがユーザ個々の希望に対して適切な情報を提供するアナログ的なサービスもある。 | |
コミュニティサイトの併設 | 無料 | 高価 | 遅い | 大きい | SNSに代表されるコミュニティサイトを併設する事でユーザを増やし、情報発信を行い販売機会を増やす。モニターやレビューの投稿ができるようにする事でクチコミ効果も期待できる。 |
※ただし、LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)対策を実施する場合は、サイト内に別途ランディングページを制作する必要がある。