年をとるとやってくる、目の衰え。 今まで見えていたものが見えにくくなるのはなかなか辛いものですが、色の見え方も変わっていくようです。
目の水晶体が黄色に変化してしまうのです。 それはちょうど、黄色いレンズのサングラスをかけたような見え方だそうです。 そうなると青や青紫が濃いグレーに見えてしまうため、 色だけで識別されている標識だと判別が付きにくくなってしまいます。
しかもこの現象は普段気が付かない間にじわりじわりと変化するので、 本人が気が付いていない、ということも良くあるそうです。
こうしたことを受け、最近では地下鉄の案内板では、 漢字で書かれた駅名や色のほかに、記号や数字、ローマ字表記など、 さまざまな表現方法を用いて作られています。
これは色覚障害者や日本語の分からない海外の方でも 分かりやすいようにも考えられており、 それら使う側に立って総合的に考え出されたデザインを 「ユニバーサルデザイン」と呼んでいます。
地下鉄のほかにも、最近ではユニバーサルデザインが増えてきました。 あなたの街のユニバーサルデザイン。 どんな工夫がされているか考えると面白いですよ。
参考書籍:よくわかる色と配色の事典葛西紀巳子、篠崎幸惠 著