CRMに顧客利便性をプラスして考える
顧客の囲い込み」という言葉でピンと来る方は、今さら『CRM?』と思われるかもしれません。CRMとは「Customer Relationship Management」の略語ですね。その要諦は大きく二つ。一つは、より多く顧客との接点を持つことで消費支出を可能な限り高める事(“空間軸”の顧客囲い込みアプローチ)。もう一つは、顧客の人生という時間の中の節目に応じた接点を持つ事(“時間軸の顧客囲い込みアプローチ”)です。いずれにしても「顧客を囲い込む」という企業視点のメリットを追求して消費を創出する戦略。怖いですね〜、まるで囚人になってしまうかのようです。(^^;
企業の狙いどおりに事が運べば顧客は否応無く囲い込まれる事になるのですから、顧客は選択の自由を制限される事になります。CRMは企業のメリットと顧客のメリットが相反する戦略であると言えそうですね。CRMを顧客視点に近づけたいなら「顧客が選択できる機会」の提供を考え、顧客が不利になるような囲い込み戦略に傾倒しないようにするのが肝要です。
情報の透明性を高めるための施策例
では、どうすれば選択の機会を求める顧客に選ばれるのか?そのためには顧客に対する情報の透明性を高め、選択の検討対象に最後まで残れるように情報開示を行う努力が必要であると考えます。例えば自社のサイトを利用して [図2] にあげる施策を取る。企業にとって不利益に繋がる短所・弱点を含めた情報やクレーム情報を開示する事は毅然とした企業精神を印象付ける事にも繋がります。そんな観点からWEBサイトを活用する事ができます。