TOP > ホームページ通信 > Vol.007 2007年07月号 > 墨の表情を探る |
弔事の時に使う熨斗袋の表書きは「悲しみで墨が薄れる」 という意味をこめてうす墨を使うのが本来の礼儀。 …などということを恥ずかしながら最近になって知りました。 そういえばお店の筆ペン売り場では、通常の黒墨の筆から習字の先生が使いそうな 朱色の筆に混じって、うす墨専用の筆ペンが売っています。 本来ならきちんと墨と硯を用意すべきところですが、 ここはお手軽に体験するべく、購入してみることにしました。
とりあえず、用意した黒墨の筆ペンとうす墨の筆ペンで、それぞれ半紙に「一」という文字を書いてみます。すると出来たのは真っ黒な横線と灰色だけども濃淡のある横線。前者は黒墨で、後者はうす墨です。どうやらうす墨だと、全く色の変わらない黒墨と違い、力の入れ具合で濃い箇所と薄い箇所が出来るようです。これは後から書き足しなんてとても出来なさそう。でもその濃淡具合にとても魅力を感じます。一度きりしか出せない墨の表情。奥ゆかしさを感じました。
|
|