TOP > ホームページ通信 > Vol.003 2007年03月号 > ホームページは自分の鑑?! |
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インターネットで広告し郵便・電話等で申込を受ける販売、いわゆる通信販売。様々な商品・サービスで一般的ですよね。そんな通信販売で多いのが取引上のトラブル。請求・支払、解約、返品にまつわる認識の齟齬でさまざまなトラブルを生じることがあります。英会話スクール最大手のN社が特定商取引法違反の疑いで経産省と東京都の立ち入り検査を受けていたことが報じられたのもつい最近のことです。(2007/02/16・NIKKEI NET)
今号では、この出来事からわが社・わが店にとって教訓となることを学び取り、生かしていければと思います。
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N社は料金体系にポイント制を採用し、事前に購入するポイントが多いほどレッスン単価を安くするシステムのようです。ところがポイントを残したまま中途解約すると、購入時と異なる料金体系で精算され、返還額が少なくなるトラブルが生じ、不透明な精算ルールや虚偽と受け取られかねない説明をしていたのが問題視されたとのこと。この話が事実なら違法かどうかという以前に、中途解約時に「話が違う」と多くの消費者とトラブルになり、企業イメージに悪い影響が出ることは容易に想像できますね。
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N社立ち入り検査の引き金となった「特定商取引法」とは、一体どんな法律でしょうか?経済産業省のWEBサイト(*1)から抜粋すると、『特定商取引法は、訪問販売など消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を対象(表1)に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為等を取り締まることにより、消費者取引の公正を確保するための法律です。』とあります。消費者トラブルを生じやすい取引についてトラブル防止ルールを定め、事業者がそれを遵守することで消費者を不正な取引から守るための法律と理解できます。
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(1) 取扱品、サービス内容を確認します
ホームページで広告しているものが特定商取引法で規定されている商品、権利、役務(サービス)かを確認しましょう。代表的な例を挙げておきます(表2)。詳しくは経済産業省のWEBサイト(*2)を参照してください。
(2) 偽らない・隠さない
取引の内容についてきちんと説明されていなかったり、虚偽と受け取られ兼ねない表現をしていたり。そのようなことが無いようにしましょう。広告で表示すべき項目(表3)が決められていますので漏れなく正確に表示することを心掛けましょう。
(3) 誇大広告
著しく事実と相違がある表示はしない。実際のものよりも良い(有利)と思わせる表示はしない。消費者の立場に立ち、有意な情報で広告を作ることが大切ですね。
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訪問販売 |
自宅へ訪問して販売、路上で声を掛け営業所に同行させて販売する方法。 |
通信販売 |
新聞、雑誌、インターネットで広告し、郵便・電話等で申込を受ける販売方法。 |
電話勧誘販売 |
直接電話を掛け勧誘し、申込を受ける販売方法。 |
連鎖販売取引 |
勧誘した販売員に次々と販売員を勧誘させ販売組織を拡大する販売方法。 |
特定継続的役務提供 |
長期・継続的なサービス提供を契約する取引。
エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚紹介、パソコン教室が該当する。 |
業務提供誘引販売取引 |
仕事を提供すると勧誘し、仕事に必要であるとして商品等を買わせる販売方法。 |
対象となる取引類型
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指定商品 |
57種類 |
食器、調理器具、家具、住宅設備、内装、工具類、衣類、おもちゃ、文具、書籍、貴金属・宝石、観賞用動植物、楽器、絵画・工芸品など |
指定権利 |
3種類 |
保養・スポーツ施設の利用権、映画・演劇・音楽・スポーツ・写真・美術品を鑑賞する権利、語学を教授する権利 |
指定役務 |
20種類 |
物品のレンタル、電気機器・装置の撤去、美容・エステ等の施術、結婚交際相手紹介、易断、家屋修繕、プログラムを電子計算機に記録、土地測量・整地、技芸・知識の教授など |
特定商取引法で規定されている商品、権利、サービス
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■商品、権利、サービスについて |
価格 |
商品の代金、権利の代金、サービスの対価の他、送料について表示する。 |
支払時期と方法 |
代金または対価の支払い時期と支払い方法を表示する。(納品後一週間以内、口座振込等) |
引渡時期 |
商品の引渡し時期、権利の移転時期、サービスの提供時期を表示する。 |
返品、返還の条件 |
商品引渡し後の返品や権利移転後の返還についての特約に関する事項を表示する。特約がない場合にはその旨を表示する。 |
申込有効期限 |
申込有効期限があるときは、その期限を表示する。 |
代金以外の負担 |
販売価格、送料等の代金以外に購入者が負担する必要がある場合、その内容とその金額を表示する。 |
その他制限事項 |
商品の販売数量の制限など、特別な販売条件またはサービスの提供条件があるときは、その内容。 |
■販売主体について |
販売主体 |
事業者の名称、住所、電話番号を表示する。 |
責任者氏名 |
販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名を表示する。 |
メールアドレス |
電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者のメールアドレスを表示する。 |
■その他 |
瑕疵 |
商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容を表示する。 |
ソフトウェアの動作環境 |
いわゆるソフトウェアに係る取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境を表示する。 |
カタログ等 |
請求によりカタログなどを別途送付する場合、それが有料であるときは、その金額を表示する。 |
未承諾広告 |
相手方の承諾等なく電子メールによる商業広告を送る場合には、そのメールの件名欄の冒頭に「未承諾広告※」と表示する。 |
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わが社・わが店がお客さま本位の視点で考えているという事は、心で思っているだけでは伝わりません。実店舗販売では接客・顧客応対で伝え、インターネット販売ではホームページに公正な取引内容を表示する。ホームページに映る姿をチェックし、常にお客さまの信頼感を得られるよう心掛けたいですね。
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